原文

妹許登 吾去道乃 河有者 附目緘結跡 夜更降家類

作者

市原王(いちはらのおおきみ)

よみ

妹(いも)がりと、我が行く道の、川しあれば、つくめ結ぶと、夜ぞ更(ふ)けにける

意味

天の川 撮影(2019.05) by 佐藤さま

妻の許(もと)に行こうと、私が行く道の途中に川があるので、舟の櫓(ろ)のつくめに綱を結ぼうとしている間に、夜が更けてしまいました。(七夕(たなばた)の歌)

「つくめ」は、舟の櫓(ろ)の手元の端にある櫓杵(ろづく)という突起部分です。これに、早緒(はやお)と呼ばれる綱を結びつけます。

- rough meaning: Because there is a river on the way to my wife to go to his wife, the night has come while I was trying to tie a rope to the edge of the Japanese oar attached to the rear of the boat.(poem of tanabata)

補足

の雑歌のひとつです。この歌の題詞には、「市原王(いちはらのおおきみ)の七夕(たなばた)の歌一首」とあります。

更新日: 2019年06月02日(日)