原文

秋芽子者 盛過乎 徒尓 頭刺不挿 還去牟跡哉

作者

沙弥尼(さみに)

よみ

秋萩(あきはぎ)は、盛(さか)り過ぐるを、いたづらに、かざしに挿(さ)さず、帰りなむとや

萩 撮影 by きょう

意味

秋萩(あきはぎ)は、盛(さか)りを過ぎてしまうのに、なにも髪に飾ることもなくお帰りになられるのですか。

「沙弥尼(さみに)」は女性の出家者のことです。

補足

この歌の題詞には「故郷(ここでは飛鳥のこと)の豊浦寺(とゆらじ)の尼の私房(しぼう:私室のこと)で宴(うたげ)する歌三首」とあります。

また、この歌の左注には「右の二首、沙弥尼(さみに)たち」とあります。

更新日: 2013年11月17日(日)