原文
秋芽子者 盛過乎 徒尓 頭刺不挿 還去牟跡哉
作者
沙弥尼(さみに)
よみ
秋萩(あきはぎ)は、盛(さか)り過ぐるを、いたづらに、かざしに挿(さ)さず、帰りなむとや

意味
秋萩(あきはぎ)は、盛(さか)りを過ぎてしまうのに、なにも髪に飾ることもなくお帰りになられるのですか。
「沙弥尼(さみに)」は女性の出家者のことです。
補足
この歌の題詞には「故郷(ここでは飛鳥のこと)の豊浦寺(とゆらじ)の尼の私房(しぼう:私室のこと)で宴(うたげ)する歌三首」とあります。
また、この歌の左注には「右の二首、沙弥尼(さみに)たち」とあります。