第八巻 : 衣手に水渋付くまで植ゑし田を
2010年01月03日(日)更新 |
原文: 衣手尓 水澁付左右 殖之田乎 引板吾波倍 真守有栗子 作者: 不明 よみ: 衣手(ころもで)に、水渋(みしぶ)付くまで、植(う)ゑし田を、引板(ひきた)我が延(は)へ、まもれる苦し |
意味: 衣の袖(そで)に田の水渋(みしぶ)がつくほどに(頑張って)植えた田を、鳴子(なるこ)を張って守るのは苦しいことですね。 若い女性のことを田にたとえて詠んだのかもしれません。 |
水渋(みしぶ)は、水面に浮かぶ錆(さび)のようなものをいいます。 引板(ひきた)は鳴子(なるこ)のことで、音を立てて鳥などを田に入れないようにします。 |