原文

紐鏡 能登香山 誰故 君来座在 紐不開寐

作者

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より

よみ

紐鏡(ひもかがみ) 能登香(のとか)の山も 誰(た)がゆゑか 君(きみ)来ませるに 紐(ひも)解(と)かず寝む

意味

能登香山 by 美作市観光ボランティアガイド橋本様

能登香(のとか)の山のようにほかの誰に気兼ねなどして、あなた様がいらしたのに紐(ひも)も解かずに寝ることでしょうか。

・「紐鏡(ひもかがみ)」は、裏側にひもがついた鏡のことで、「紐を解いてはいけない」しという意味の「な解き」で「能登香」を導いています。

補足

「物に寄せて思ひを陳(の)ぶる歌」のひとつです。この歌の「物」は「紐鏡(ひもかがみ)」ですね。

更新日: 2019年03月24日(日)