第十一巻 : 我妹子が笠のかりての和射見野に
2009年11月01日(日)更新
原文: 吾妹子之 笠乃借手乃 和射見野尓 吾者入跡 妹尓告乞
作者: 不明
よみ: 我妹子(わぎもこ)が、笠のかりての、和射見(わざみ)野に、我れは入りぬと、妹(いも)に告げこそ
意味: (あの娘の笠のかりての)和射見(わざみ)野にたどり着いたと、あの娘に伝えてくださいな。
「笠のかりて」は、笠の内側の輪のようになっている支えの部分のことで、和射見(わざみ)の「わ」を導くのに使われています。
旅に出て、やっと和射見(わざみ)野まで来たんですよ、って誰かに伝えて欲しかったのですね。もちろん、恋しい人も、その人が着けていた笠のことも思いながら、詠んだのでしょうね。
第11巻