原文
紅之 淺葉乃野良尓 苅草乃 束之間毛 吾忘渚菜
作者
不明
よみ
紅(くれなゐ)の、浅葉(あさは)の野らに、刈る草(かや)の、束(つか)の間(ま)も、我(あ)を忘らすな
意味
浅葉(あさは)の野に生える草(かや)の刈り取って束(たば)ねた束(つか)のような、ちょっとの間でも、私のことを忘れないでください。
「紅(くれなゐ)の」は、浅(あさ)を導く枕詞(まくらことば)です。
補足
草(かや)は、通常、イネ科の植物を示し、昔から飼料、肥料、屋根葺きなどに使われてきたようです。
ちょっとの間のことを、いまでも、「束(つか)の間(ま)」っていいますよね。
浅葉(あさは)がどこかははっきりとはしていませんが、埼玉県坂戸市浅羽野、静岡県袋井市浅羽などの説があります。