第十五巻 : 妹を思ひ寐の寝らえぬに

平成9年11月23日(日)更新

原文: 伊毛乎於毛比 伊能祢良延奴尓 安伎乃野尓 草乎思香奈伎都 追麻於毛比可祢弖

作者:遣新羅使(名前は不明)

よみ: 妹を思ひ、寐(い)の寝らえぬに、秋の野に、さを鹿鳴きつ、妻思ひかねて

意味: 嫁さんのことを想って眠られないでいると、秋の野で牡鹿(おじか)が鳴いている。妻のことを想っているのだろうか。私も嫁さんのことが恋しくて仕方がない。
天平8年,遣新羅使のひとりであった人が、出帆後に九州の唐津湾に停泊した時に詠んだ歌のようです。恋しい、会いたい奥さんの事を想っていると、鹿の鳴く声が聞こえたのでしょうか。

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