原文
三熊野之 浦乃濱木綿 百重成 心者雖念 直不相鴨
作者
よみ
み熊野(くまの)の 浦の浜木綿(はまゆふ) 百重(ももへ)なす 心は思へど 直(ただ)に逢(あ)はぬかも
意味
熊野(くまの)の浦の浜木綿(はまゆう)が幾重にも重なり合っているように、あなたのことを幾重にも心で思っているけれど、じかに逢うことはできないのです。
・浜木綿(はまゆう)の偽茎は、薄い皮のようなものが何重にも重なっていて、この様子から「百重(ももへ)なす」と詠まれたと考えられています。
- rough meaning: Just like as Kumano-no-Ura's beach crinum leaves are piled up, I 'm always thinking of you many times, but I can't meet you in person.
補足
・「拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)」の巻第十一にも、この歌が載っているそうです。