原文

三熊野之 浦乃濱木綿 百重成 心者雖念 直不相鴨

作者

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)

よみ

み熊野(くまの)の 浦の浜木綿(はまゆふ) 百重(ももへ)なす 心は思へど 直(ただ)に逢(あ)はぬかも

意味

ハマユウ by 写真AC

熊野(くまの)の浦の浜木綿(はまゆう)が幾重にも重なり合っているように、あなたのことを幾重にも心で思っているけれど、じかに逢うことはできないのです。

・浜木綿(はまゆう)の偽茎は、薄い皮のようなものが何重にも重なっていて、この様子から「百重(ももへ)なす」と詠まれたと考えられています。

- rough meaning: Just like as Kumano-no-Ura's beach crinum leaves are piled up, I 'm always thinking of you many times, but I can't meet you in person.

補足

・「拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)」の巻第十一にも、この歌が載っているそうです。

更新日: 2021年05月16日(日)