第十四巻 : 上つ毛野佐野田の苗のむら苗に

平成10年7月12日(日)更新


原文: 可美都氣努 佐野田能奈倍能 武良奈倍尓 許登波佐太米都 伊麻波伊可尓世母

作者:不明

よみ: 上つ毛野(かみつけの)、佐野田の苗(なへ)の、むら苗(なへ)に、事は定めつ、今はいかにせも

意味: 佐野田の沢山の苗が植えられているように、その事はきまってしまいました。今となっては、もうどうすることもできません。

「苗(なへ)」は、の苗のことでしょうね。「苗代(なわしろ)」で大切に育てられた苗は、田に植え替えられます。この歌は「相聞歌」ということですから、その事を、結婚のことに喩えて詠んだのでは、と考えられますね。

上つ毛野(かみつけの)は、今の群馬県です。


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