原文

尓比牟路能 許騰伎尓伊多礼婆 波太須酒伎 穂尓弖之伎美我 見延奴己能許呂

作者

不明

よみ

新室(にいむろ)の、こどきに至れば、はだすすき、穂に出(で)し君が、見えぬこのころ

すすき 撮影 by きょう

意味

新室(にいむろ)の蚕時(こどき)になると、(人に知られた)あなた様をお見かけしないこの頃です。

はだすすきは、「穂に出ず(人目につく、などの意味)」を導く">枕詞です。

補足

「新室(にいむろ)」は「新しく作った室(むろ)」のことで、室(むろ)は窓のない建物をいいます。この歌については養蚕のための小屋と考えられています。

「蚕時(こどき)」は養蚕に適した時期(春)でこの頃はとても忙しいそうです。だから、忙しくて逢うこともできないのでしょうね。

更新日: 2014年10月05日(日)