原文
大船尓 真梶繁貫 此吾子乎 韓國邊遣 伊波敝神多智
作者
よみ
大船(おほぶね)に、楫(まかぢ)しじ貫(ぬ)き、この我子(あこ)を、唐国(からくに)へ遣(や)る、斎(いは)へ神たち
意味
大船に櫂(かい)をたくさん取りつけて、この我が子を唐の国へ遣(つか)わします。どうかお守りください、神々よ。
補足
この歌の題詞には、「春日(かすが)に神をお祭りした日、藤原太后(ふじわらのおおきさき:光明皇后(こうみょうこうごう)のこと)が御作りになった歌一首 。即ち、入唐大使(にゅうとうたいし)藤原朝臣清河(ふじわらのあそんきよかわ)に賜った歌。 参議従四位下(さんぎじゅしいのげ)遣唐使(けんとうし)」とあります。
藤原朝臣清河(ふじわらのあそんきよかわ)は光明皇后(こうみょうこうごう)の甥(おい)です。続日本紀(しょくにほんぎ)には、天平勝宝二年(西暦750年)九月に遣唐使(けんとうし)として任命されたとあります。