原文
天雲能 曽伎敝能伎波美 吾念有 伎美尓将別 日近成奴
作者
阿倍朝臣老人(あべのあそんおきな)
よみ
天雲(あまくも)の、そきへの極(きわ)み、我(あ)が思(も)へる、君に別れむ、日近くなりぬ
意味
天雲(あまくも)のように遠く離れた所に、私が思うあなた様にお別れをする日が近くなってきました。。

この歌の題詞には、「阿倍朝臣老人(あべのあそんおきな)が唐に遣(つか)わされた時に、母に捧(ささ)げた別れを悲しむ歌一首」とあります。
補足
また、この歌の注には、「右の一連の歌は、越中(えっちゅう)の大目(だいさかん)高安倉人種麻呂(たかやすのくらびとためまろ)が伝誦(でんしょう)したものです。ただし、年月の順は、聞いたとおりにここに載せました。」とあります。