第七巻 : 大刀の後鞘に入野に葛引く我妹
2000年5月28日(日)更新 |
原文: 劔後 鞘納野 葛引吾妹 真袖以 著點等鴨 夏草苅母 作者: 柿本人麻呂(かきのもとひとまろ)歌集より よみ: 大刀(たち)の後(しり)、鞘(さや)に入野(いりの)に、葛(くず)引く我妹(わぎも)、真袖(まそで)もち、着せてむとかも、夏草(なつくさ)刈(か)るも |
意味: 入野で葛(くず)を引いている私の妻が、(その葛で作った着物を私に)両手で着せてくれようと思っているのか、夏草(なつくさ)を刈っています。 葛(くず)の茎は丈夫で簡単には引き抜けません。苦労して引き抜いた葛(くず)の茎の繊維で布にしたのですね。 「大刀(たち)の後(しり)、鞘(さや)に」で、「入野(いりの)」を導いています。「入野(いりの)」がどこかはわかっていません。特定の場所を示しているのではないかも知れません。 |