甚多毛 不零雨故 庭立水 太莫逝 人之應知
不明
はなはだも、降らぬ雨故(あめゆゑ)、にはたづみ、いたくな行(ゆ)きそ、人の知るべく
それほど激しい雨でもないのに、庭の水、そんなにたくさん流れないで。人に知られてしまいます。
「頻繁に逢っているわけでもないのに、そんなに噂をたてないで。」という気持ちを詠んだ歌と考えられます。
「にはたづみ」は庭にたまった水のことをいいます。
この歌の題詞には「雨に寄せる」とあります。