第十七巻 : 昨日こそ船出はせしか鯨魚取り

平成10年7月12日(日)更新


原文: 昨日許曽 敷奈■(人偏+弖)婆勢之可 伊佐魚取 比治奇乃奈太乎 今日見都流香母

作者:不明

よみ: 昨日こそ、船出はせしか、鯨魚(いさな)取り、比治奇(ひぢき)の灘(なだ)を、今日見つるかも

意味: 昨日、船出をして、今日は比治奇(ひぢき)の灘(なだ)まで来ましたねぇ。

天平2年11月、大伴旅人(おおとものたびと)が大納言に任命されて京に行く際に、従者の一人が詠んだ歌です。作者の名前などは分かっていません。

比治奇(ひぢき)の灘(なだ)についてはいくつか説があるようですが、瀬戸内の何処かなのでしょうね。

鯨魚(いさな)取り」は、灘を導く枕詞として使われています。


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