原文 Original Text

若浦尓 塩満来者 滷乎無美 葦邊乎指天 多頭鳴渡

作者 Author

山部赤人(やまべのあかひと) Yamabe-no-Akahito

よみ Reading

若の浦に 潮(しほ)満ち来れば 潟(かた)をなみ 葦辺(あしへ)をさして 鶴(たづ)鳴き渡る

- Wakanoura ni Shiho michi kureba Kata wo nami Ashi-he wo sashite Tazu naki wataru.

意味 Meaning

鶴(マナヅル) by 写真AC

若の浦に潮(しお)が満ちてくると干潟(ひがた)がなくなるので、葦(あし)の生えた岸辺を目指して鶴(つる)が鳴き渡っています。

・若の浦は現在の和歌山市和歌浦(わかうら)とされています。

- rough meaning: The tide rises in Wakanoura(Current Wakaura, Wakayama City) and the tidal flats disappear, so cranes are singing as they head for the reed-covered shore.

補足 Notes

・この歌を含む0917番歌(長歌)の題詞には「神龜元年(じんきがんねん:西暦724年)甲子(きのえね/こうし)冬十月五日、紀伊國(きいのくに)に幸す時に山部宿祢赤人(やまべのすくねあかひと)の作る歌一首[并(あわ)せて短歌])反歌二首」とあります。

更新日: 2023年11月19日(日)