原文
言不問 木尚妹與兄 有云乎 直獨子尓 有之苦者
作者
市原王(いちはらのおほきみ)
よみ
言(こと)問はぬ、木すら妹(いも)と兄(せ)と、ありといふを、ただ独り子に、あるが苦しさ
意味
物言わぬ木にさえ姉妹や兄弟がいるというのに、(私は)ただ独り子であることが苦しいことです。
どんな時に詠んだ歌なのでしょうね。
補足
この歌の題詞には、「市原王、獨子(ひとりこ)を悲しむ歌一首」とあります。
市原王は、安貴王(あきのおほきみ)の子で志貴皇子(しきのみこ)(または川島皇子)の曾孫(ひ孫)。