原文
山之葉尓 不知世經月乃 将出香常 我待君之 夜者更降管
作者
忌部黒麻呂(いむべのくろまろ)
よみ
山の端(は)に、いさよふ月(つき)の、出(い)でむかと、我(わ)が待つ君が、夜(よ)はくたちつつ
意味
山の端(は)に、出ようかどうかためらっている月(つき)のように、もう来るかと、私が待っている君がこないまま、夜は過ぎて行きます。
「山の端(は)」は、山の空との境のことです。
補足
この歌の題詞には、「忌部首黒麻呂(いむべのおびとくろまろ)、友の遅く来ることを恨む歌一首」とあります。