第十六巻 : さし鍋に湯沸かせ子ども櫟津の

平成11年9月19日(日)更新


原文: 刺名倍尓 湯和可世子等 櫟津乃 桧橋従来許武 狐尓安牟佐武

作者: 長忌寸意吉麻呂(ながのいみきおきまろ)

よみ: さし鍋(なべ)に、湯沸かせ子ども、の、桧橋(ひばし)より来(こ)む、に浴(あ)むさむ

意味: さし鍋(なべ)にお湯を沸かしなさい、みなさん。櫟津(いちひつ)の桧橋(ひばし)から("来む(コン)"と鳴いて)やってくるにかけてやろうじゃないか。

宴会をしていた時のこと、明け方に狐の声が聞こえてきました。そこで、皆が、意吉麻呂(おきまろ)に、そこいらにある食器・狐の声・川・橋を詠みこんで歌をつくるように言いました。そこで、意吉麻呂(おきまろ)が詠んだ歌がこれです。

(1)さし鍋(なべ)、櫟津(いちひつ)から(2)櫃(ひつ)と(3)津(川のこと)、(4)が詠みこまれていますね。

超(スゴ)ネタ6-ふるさと- より

さし鍋(なべ)

・弦(つる)と注ぎ口のある鍋のことです。お酒などを温めるのに使ったそうです。


第十六巻