原文
一二之目 耳不有 五六三 四佐倍有来 雙六乃佐叡
作者
長意吉麻呂(ながのおきまろ)
よみ
一二(いちに)の目、のみにはあらず、五六三(ごろくさむ)、四(し)さへありけり、双六(すごろく)のさえ
意味
一二(いちに)の目だけではありません。五、六、三、そして四さえあるのですよ。双六(すごろく)のサイコロには。
補足
この歌の題詞には、「雙六(すごろく)の頭(さえ:サイコロのこと)詠む歌」とあります。当時の双六は、げんざいのものとは大分違っていたようです。また、サイコロの表裏の目の数の組み合わせも、現在のものとは違っていたようです。
日本書紀に、持統天皇の3年(西暦689年)に「双六を禁止する」との記事が載っています。かけごとの対象として行われていたようですね。