第十六巻 : さう莢に延ひおほとれる屎葛

2006年07月30日(日)更新


原文: ■(くさかんむり+日+ヒ)莢尓 延於保登礼流 屎葛 絶事無 宮将為

作者: 高宮王(たかみやのおおきみ)

よみ: さう莢(けふ)に、延(は)ひおほとれる屎葛(くそかずら)、絶ゆることなく宮仕へせむ

意味: さう莢(けふ)にまとわりついている生い茂っている屎葛(くそかずら)のように、強くたくましく、いつまでも宮仕えをしたいものです。

「さう莢(けふ)」はジャケツイバラのことです。これに、屎葛(くそかずら)が絡み付いているというのです。「絶ゆることなく宮仕へせむ」というのは、宮廷を称えるときによく使われる常套句(じょうとうく)だそうです。これと、屎葛(くそかずら)とのアンバランスがかえって効いていますね。

撮影(2006.07) by きょう

| 第十六巻に戻る