一日 千重敷布 我戀 妹當 為暮零礼見
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より
一日(ひとひ)には、千重(ちへ)しくしくに、我が恋(こ)ふる、妹(いも)があたりに、しぐれ降れ見む
一日にしきりに(何度も何度も)私が恋い慕うあの娘が住んでいるあたりに、(しきりに)しぐれが降っています。
「千重(ちへ)しくしくに」は、何度も何度も、繰り返し、しきりに、という意味です。
「秋の雑歌(ぞうか)」で、「雨(あめ)を詠む」歌のひとつです。