原文
馬莫疾 打莫行 氣並而 見弖毛和我歸 志賀尓安良七國
作者
刑部垂麻呂(おさかべのたりまろ)
よみ
馬ないたく、打ちてな行きそ、日ならべて、見ても我が行く、志賀(しが)にあらなくに
意味

馬(うま)をそんなに鞭打って行かないで。何日もかけて見て行ける志賀(しが)ではないのですから。
志賀(しが)は、現在の滋賀県大津市の北部一帯にあたります。そこから馬に乗って都に行くときに詠んだ歌で、同行の人に「ゆっくり景色を眺めながら行きましょう」と呼び掛けた歌です。
補足

・この歌の題詞には、「近江國(おおみのくに:現在の滋賀県)より上り来たる時、刑部垂麻呂(おさかべのたりまろ)の作る歌一首」とあります。
写真は琵琶湖です。