原文

大夫之 弓上振起 射都流矢乎 後将見人者 語継金

ますらを イラスト by 名倉エリさま

作者

笠金村(かさのかなむら)

よみ

ますらをの、弓末(ゆずゑ)振り起し、射(い)つる矢を、後(のち)見む人は、語り継ぐがね

意味

ますらをの弓の端を振り起して射た矢を、後に見る人は語り継いでほしい。

弓末(ゆずえ)は弓の端のことです。神木(杉)に矢を射立てて旅の安全を祈ったそうです。

補足

この歌の題詞に、「笠朝臣金村(かさのあそんかなむら)が塩津山で作った歌二首」とあります。塩津山は現在の滋賀県長浜市西浅井町塩津浜近くの山です。

更新日: 2015年04月19日(日)