原文
大夫之 弓上振起 射都流矢乎 後将見人者 語継金
作者
笠金村(かさのかなむら)
よみ
ますらをの、弓末(ゆずゑ)振り起し、射(い)つる矢を、後(のち)見む人は、語り継ぐがね
意味
ますらをの弓の端を振り起して射た矢を、後に見る人は語り継いでほしい。
弓末(ゆずえ)は弓の端のことです。神木(杉)に矢を射立てて旅の安全を祈ったそうです。
補足
この歌の題詞に、「笠朝臣金村(かさのあそんかなむら)が塩津山で作った歌二首」とあります。塩津山は現在の滋賀県長浜市西浅井町塩津浜近くの山です。