原文

水茎之 岡乃田葛葉緒 吹變 面知兒等之 不見比鴨

作者

不明

よみ

水茎(みずくき)の、岡の葛葉(くずは)を、吹きかへし、面(おも)知る子らが、見えぬころかも

葛の花 撮影(2012.09) by きょう

意味

岡の葛(くず)の葉を吹き返したように、はっきりと顔を知っているあの娘が、この頃は姿を見せてくれません。

「水茎(みずくき)の」は「岡」を導く枕詞(まくらことば)です。

補足

葛(くず)の葉の裏は、表よりは比較的白くみえるので、葛の葉を風が吹いて裏返す様子を詠み込んでいるのですね。

更新日: 2012年10月28日(日)