原文
多可麻刀能 乎婆奈布伎故酒 秋風尓 比毛等伎安氣奈 多太奈良受等母
作者
大伴池主(おおとものいけぬし)
よみ
高円(たかまと)の、尾花(をばな)吹き越す、秋風に、紐(ひも)解き開けな、直(ただ)ならずとも
意味
高円(たかまと)の尾花(をばな)をなびかせて吹く秋風に、衣の紐(ひも)を解いてくつろぎましょう。特に何をする、というわけではないですけど
補足
天平勝宝5年8月12日に官人たちがお酒を持ちよって高円山(たかまとやま: 奈良市の山)に登りました。そこに参加していた大伴池主(おおとものいけぬし)が詠んだ歌です。
「紐(ひも)を解く」のはどうも男女間の契りをイメージするようで、"男同士でどうするってことじゃなくて、ただ、くつろぎましょう"ってことを「直(ただ)ならずとも」と詠んでいるようですね。