第二十巻 : 忘らむて野行き山行き我れ来れど
2009年06月28日(日)更新
原文: 和須良牟弖 努由伎夜麻由伎 和例久礼等 和我知々波々波 和須例勢努加毛
作者: 商長首麻呂(あきのをさのおびとまろ)
よみ: 忘らむて野行き山行き我れ来れど我が父母は忘れせのかも
意味: 忘れようとして、野を山を行き、私はやってきましたが、父母のことは忘れられません。
平勝宝7年(西暦755)2月に、筑紫に派遣された防人(さきもり)の歌のひとつです。
(万葉集の)注に、 「駿河国(するがのくに: 現在の静岡県の大井川より東)の防人部領使守(さきもりぶりょうし)の布勢朝臣人(ふせのあそんひとぬし)が、2月7日(実際は2月9日)に20首を提出しましたが、(万葉集には)つたない歌は載せませんでした。」 とあります。
第二十巻