原文
阿加胡麻乎 夜麻努尓波賀志 刀里加尓弖 多麻能余許夜麻 加志由加也良牟
作者
宇遅部黒女(うぢべのくろめ)
作者の宇遅部黒女(うぢべのくろめ)は、豊嶋郡(としまのこほり:現在の東京都豊島区を含む地域)の椋椅部荒虫(くらはしべのあらむし)の奥様です。
よみ
赤駒(あかごま)を、山野(やまの)にはがし、捕りかにて、多摩(たま)の横山(よこやま)、徒歩(かし)ゆか遣(や)らむ
意味
赤駒(あかごま)を、山野に放って、捕まえられず、多摩(たま)の横山(よこやま)を徒歩で行かせなければならないことです。
天平勝宝7年(西暦755年)2月29日に武蔵國(むさしのくに)の部領(ぶりょう)防人使(さきもりのつかい)である安曇宿祢(あずみのすくね)三國(みくに)が進呈した二十首のうちのひとつです。ただし、上手くない歌は万葉集には載せられませんでした。