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熟田津尓 船乗世武登 月待者 潮毛可奈比沼 今者許藝乞菜
額田王(ぬかたのおおきみ)
熟田津(にきたつ)に、船(ふな)乗りせむと、月待てば、潮もかなひぬ、今は漕(こ)ぎ出(い)でな
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熟田津(にきたつ)で、船を出そうと月を待っていると、いよいよ潮の流れも良くなってきた。さあ、いまこそ船出するのです。
23
打麻乎 麻續王 白水郎有哉 射等篭荷四間乃 珠藻苅麻須
作者不明
打ち麻(そ)を、麻続(をみの)の王(おほきみ)、海人(あま)なれや、伊良虞(いらご)の島の、玉藻(たまも)刈ります
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麻続(をみの)の王(おほきみ)さまは海人(あま)なのでしょうか、(いいえ、そうではいらっしゃらないのに、)伊良虞の島の藻をとっていらっしゃる・・・・・
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春過而 夏来良之 白妙能 衣乾有 天之香来山
持統天皇(じとうてんのう)
春過ぎて 夏来たるらし 白妙(しろたえ)の 衣干したり 天(あめ)の香具山(かぐやま)
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春が過ぎて、夏が来たらしい。白妙(しろたえ)の衣が香久山(かぐやま)の方に見える。
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雖見飽奴 吉野乃河之 常滑乃 絶事無久 復還見牟
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
見れど飽かぬ、吉野の川の、常滑(とこなめ)の、絶ゆることなく、またかへり見む
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何度見ても飽きることの無い吉野の川の常滑(とこなめ)のように、絶えること無く何度も何度も見にきましょう。