第一巻は雑歌として天皇の時代ごとに歌が整理されています。
熟田津(にきたつ)に、船(ふな)乗りせむと、月待てば、潮もかなひぬ、今は漕(こ)ぎ出(い)でな
春過ぎて 夏来たるらし 白妙(しろたえ)の 衣干したり 天(あめ)の香具山(かぐやま)
天皇の時代ごとに分類し、それぞれ年代順に載せています。柿本人麻呂のすぐれた挽歌(ばんか)があります。
君が行き、日(け)長くなりぬ、山たづの、迎へを行かむ、待つには待たじ
秋山の、木の下隠(がく)り、行く水の、我れこそ益さめ、御(み)思ひよりは
あしひきの、山のしづくに、妹(いも)待つと、我れ立ち濡れぬ、山のしづくに