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額田王(ぬかたのおおきみ)
熟田津(にきたつ)に船(ふな)乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕(こ)ぎ出(い)でな
額田王(ぬかたのおおきみ)
茜(あかね)さす 紫野行き標野(しめの)行き 野守(のもり)は見ずや 君が袖振る
持統天皇(じとうてんのう)
春過ぎて 夏来たるらし 白妙(しろたえ)の 衣干したり 天(あめ)の香具山(かぐやま)
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
見れど飽かぬ 吉野の川の 常滑(とこなめ)の 絶ゆることなく またかへり見む
額田王(ぬかたのおおきみ)
み吉野(よしの)の 玉(たま)松(まつ)が枝(え)は はしきかも 君が御言(みこと)を 持ちて通(かよ)はく
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
秋山に 落つる黄葉(もみちば) しましくは な散り乱ひそ 妹があたり見む