第八巻 : 君が家の花橘はなりにけり
2003年4月27日(日)更新 |
原文: 君家乃 花橘者 成尓家利 花乃有時尓 相益物乎 作者: 遊行女婦(あそびめ) よみ: 君(きみ)が家(いへ)の、花橘(はなたちばな)は、なりにけり、花のある時に、逢(あ)はましものを |
意味: あなたの家の花橘(はなたちばな)は、実になりました。花が咲いているときにお逢いしたかったです。 作者の「遊行女婦(あそびめ)」は、人名ではなく(一概には言えないのですが)宴席で貴人たちの前で歌舞を行う女性だったようです。 遊行女婦の名前は不明ですが、まだ若くて華やいでいるうちに結婚したいと密かに思っていたのでしょう。願いは叶わず、待っているあいだに、意中の人は家庭をもってしまった。 |