原文

天漢 相向立而 吾戀之 君来益奈利 紐解設奈 [一云 向河]

作者

山上憶良(やまのうえのおくら)

よみ

天の川 撮影 by 佐藤弘高さま

天の川、相(あひ)向き立ちて、我(あ)が恋(こ)ひし、君(きみ)来ますなり、紐(ひも)解(と)き設(ま)けな [一に云(い)う 川に向ひて]

意味

天の川にお互いに向き合って立っている、私が恋しく想うあなたがこちらにいらっしゃる。紐を解いて(寝る)用意をしましょう。

織姫の気持ちになって詠んだ歌なのでしょうけど、男性の期待がこもってますね。

補足

この歌の題詞には「山上憶良(やまのうえのおくら)の七夕の歌十二首」とあります。

この歌の左注には「右、養老八年(西暦724年)七月七日令(れい:皇太子(後の聖武天皇)の命)に應(こた)える」とあります。ただし、続日本紀(しょくにほんぎ)には、養老八年二月四日に元正天皇から聖武天皇への禅譲があり、養老から神亀へと改元されたことが書かれているので、養老八年七月七日は誤りと考えられています。

更新日: 2018年06月03日(日)