原文

射目立而 跡見乃岳邊之 瞿麦花 總手折 吾者将去 寧樂人之為

作者

紀鹿人(きのかひと): 紀女郎(きのいらつめ)のお父様。

よみ

射目(いめ)立てて、跡見(あとみ)の岡辺(をかへ)の、なでしこの、花ふさ手折(たを)り、我れは持ちて行く、奈良人(ならひと)のため

なでしこ 撮影(2012.06) by きょう

意味

跡見(あとみ)の岡辺のなでしこを束ごと手折って持っていきましょう、奈良の人のために。

「射目(いめ)立てて」は、跡見(あとみ)を導く枕詞(まくらことば)です。

補足

この歌の題詞には「典鑄正(てんちゅうのかみ/いものしのかみ)紀朝臣鹿人(きのあそんかひと)が衛門大尉(えもんのだいじょう)大伴宿祢稲公(おおとものすくねいなぎみ)の跡見庄(とみのしょう)に至って作る歌一首」ととあります。

「跡見(あとみ)」がどこかは、はっきりしてませんが、現在の奈良県桜井市外山(とび)あたりと考えられています。

「典鑄正(てんちゅうのかみ/いものしのかみ)」は、金属・ガラス器などの製造をする部署の長官です。

更新日: 2011年06月17日(日)