原文
秋芽之 落乃乱尓 呼立而 鳴奈流鹿之 音遥者
作者
湯原王(ゆはらのおほきみ)
よみ
秋萩(あきはぎ)の 散りの乱(まが)ひに 呼びたてて 鳴くなる鹿(しか)の 声の遥(はる)けさ
Akihagi no chiri no magahi ni yobitatete nakuraru shika no kowe no harukesa.
意味
秋萩(あきはぎ)の散り乱れるところで妻を呼び誘い鳴く鹿(しか)の声が遠くに聞こえています。
- rough meaning: The voice of a deer calling his wife in the place where the autumn hagi are scattered can be heard in the distance.
・
補足
この歌の題詞には、「湯原王の鳴く鹿の歌一首」とあります。湯原王(ゆはらのおほきみ)は志貴皇子(しきのみこ)の息子さんです。