雨晴而 清照有 此月夜 又更而 雲勿田菜引
大伴家持(おおとものやかもち)
雨晴れて、清く照(て)りたる、この月夜(つくよ)、またさらにして、雲なたなびき
雨が上がって清く輝いているこの月夜。また雲がたなびかないで欲しいな。
・この歌を含む1566番歌の題詞には、「大伴家持の秋の歌四首」とあります。
この歌の左注には「右の歌、天平8年丙子(へいし)(西暦736)秋九月に作る」とあります。この時、大伴家持は19歳くらいと思われます。なお、丙子(へいし)は干支(えと)のひとつです。