原文
不手折而 落者惜常 我念之 秋黄葉乎 挿頭鶴鴨
作者
橘奈良麻呂(たちばなのならまろ)
よみ
手折(たを)らずて 散(ち)りなば惜(を)しと 我(わが)が思(おも)ひし 秋(あき)の黄葉(もみち)を かざしつるかも
Taworazu te chiri naba woshi to wa ga omoi shi aki no momichi wo kazashi tsuru kamo.
意味
手折らないでいて、散ってしまったら惜しいことだと思っていた、秋(あき)の黄葉(もみち)を、手折って髪にかざることができました。
・天平10年(西暦738)10月17日に橘奈良麻呂(たちばなのならまろ)が催(もよお)した宴席(えんせき)で詠まれた歌です。
- rough meaning: I was thinking it would be a shame if the yellow leaves scattered before I fold them by hand. But finally I have fold the yellow leaves of autumn and put them on my hair.
補足
この歌の題詞に、「橘朝臣奈良麻呂(たちばなのあそんならまろ)、集宴(しゅうえん)を結ぶ歌十一首」とあります。