原文
手母須麻尓 殖之芽子尓也 還者 雖見不飽 情将盡
作者
不明
よみ
手もすまに、植(う)ゑし、萩(はぎ)にや、かへりては、見れども飽かず、心(こころ)尽(つ)さむ

意味
手を休めることなく植えた萩(はぎ)だからでしょうか、かえって、いつまでも見ていて、心が痛みます。
補足
この歌の題詞には「ある人が尼(あま)に贈った歌二首」とあります。もう一首は、1634番の歌です。
ここで詠まれている萩(はぎ)は、尼(あま)が引き取って育てた女の子のことを喩(たと)えている、とも考えられています。