原文

波太須珠寸 尾花逆葺 黒木用 造有室者 迄萬代

作者

元正天皇(げんしょうてんのう)

よみ

はだすすき、尾花(おばな)逆(さか)葺(ふ)き、黒木(くろき)もち、造れる室(むろ)は、万代(よろづよ)までに

すすき 撮影 by きょう

意味

尾花(おばな)を逆さにして屋根を葺いて、黒木で作った建物は、いつまでも栄えることでしょう。

「はだすすき」は尾花(おばな)のことで、この歌では枕詞(まくらことば)のように使われています。

補足

この歌の題詞には、「太上天皇(たいじょうてんのう)が御つくりになった歌一首」とあります。ここでは、元正天皇(げんしょうてんのう)のことです。

この歌の左注には、「聞くところによると、左大臣長屋王(ながやおう)の佐保(さほ)の邸宅に、(太上天皇が)おでましになり、宴を開かれたときの歌ということです。」とあります。

更新日: 2012年08月26日(日)