原文
酒杯尓 梅花浮 念共 飲而後者 落去登母与之
作者
大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)
よみ
酒杯(さかづき)に、梅の花浮かべ、思ふどち、飲みての後(のち)は、散りぬともよし
意味
酒杯(さかづき)に梅の花を浮かべ、友達同士で飲んだ後は、(梅の花が)散ってしまっても良いです。
補足
この歌の次の歌(1657番歌)は「和(こた)ふる歌」ですが、その左注に、「お役所から禁酒の通達が出て『村人たちが集まって宴会をしてはならない。ただし、親しい人たちが一人二人で飲むのはかまわない。』とあった。そこで答えの歌を詠んだ人は、この上二句を作ったのです。」とあります。