第十八巻 : 浜辺より我が打ち行かば海辺より

2009年10月04日(日)更新


原文: 波萬部余里 和我宇知由可波 宇美邊欲里 牟可倍母許奴可 安麻能都里夫祢

作者: 大伴家持(おおとものやかもち)

よみ: 浜辺(はまへ)より、我が打ち行(ゆ)かば、海辺(うみへ)より、迎(むか)へも来ぬか、海人(あま)の釣舟(つりぶね)

意味: 浜辺から私たちが馬を急がせて行ったなら、海辺から迎えに来てはくれないでしょうか。海人(あま)の釣舟(つりぶね)が。

天平20年(西暦748年)3月25日に詠まれた歌です。この歌の題詞には、「25日、布勢水海(ふせのみずうみ)に行く途中、大きな声で呼んだ二首」とあります。

富山湾の海岸 氷見付近 撮影(2009.09) by きょう

ここでの「海辺」は、越中の国庁(こくちょう)から布勢水海(ふせのみずうみ)に行く途中の、(現在の)富山湾のいずれかの海岸と思われます。


第十八巻