第十八巻 : この見ゆる雲ほびこりてとの曇り
2007年07月01日(日)更新
原文: 許能美由流 久毛保妣許里弖 等能具毛理 安米毛布良奴可 己許呂太良比尓
作者: 大伴家持(おおとものやかもち)
よみ: この見ゆる、雲(くも)ほびこりて、との曇(くも)り、雨(あめ)も降(ふ)らぬか、心(こころ)足(だ)らひに
意味: こうして見えている雲(くも)が広がり曇って雨(あめ)が降ってくれないでしょうか、満足できるまで。
「ほびこりて」は、「広がって」という意味です。「との曇り」は、空が一面に曇ることで、「たな曇り」ともいいます。
この歌の直前の歌の反歌です。「天平感宝1年(西暦749年)5月6日から旱魃(かんばつ)でしたが、6月1日に雨雲が現れ、そこで作った雲の歌」とあります。
第十八巻