第11巻 : 隠り沼の下ゆ恋ふればすべをなみ
2004年06月20日(日)更新 |
原文: 隠沼 従裏戀者 無乏 妹名告 忌物矣 作者: 柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より よみ: 隠(こも)り沼(ぬ)の、下(した)ゆ恋(こ)ふれば、すべをなみ、妹(いも)が名告(なの)りつ、忌(い)むべきものを |
意味: ひそかに想って恋していると、どうしようもなくて、あの娘の名前を口にしてしまいました。いけないことなのに。 「隠(こも)り沼(ぬ)」は、流れのとどこおった沼(ぬま)のことです。 当時の人は、好きな人の名を口に出して言うと悪いことがあると思っていたようですね。 |