淡海々 沈白玉 不知 従戀者 今益
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より
近江(あふみ)の海、沈(しづ)く白玉(しらたま)、知らずして、恋ひせしよりは、今こそまされ
近江(あふみ)の海に沈む白玉(しらたま)を深く知ることもなく恋していた時より、(深く知ってしまった)今の方がより恋心が増します。
女性を白玉(しらたま)にたとえて詠んでいます。
「物に寄せて思ひを陳(の)ぶる(歌)」のひとつです。