第十一巻 : 浅茅原小野に標結ふ空言を
2008年04月27日(日)更新 |
原文: 朝茅原 小野印 空事 何在云 公待 作者: 柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より よみ: 浅茅原(あさぢはら)、小野(をの)に標(しめ)結(ゆ)ふ、空言(むなこと)を、いかなりと言ひて、君をし待たむ |
意味: 浅茅原(あさぢはら)の野に標(しめ)を結ぶみたいにむなしく言った言葉を、(人に)どう言い訳してあなたを待ったらよいのでしょうか。 「浅茅原(あさぢはら)、小野(をの)に標(しめ)結(ゆ)ふ」で「空言(むなこと)」を導いています。「浅茅原(あさぢはら)」は、茅萱(ちがや)の生えている原のことです。 |
標(しめ)は、大切な所有地などを示すしるしとして縄などをむすんで囲ったものです。でも、「浅茅原(あさぢはら)」はそれほど大切ではないので、標をしても空しいことだったのでしょう。 |