茅萱(ちがや)
イネ科チガヤ属の多年草です。川原、田畑、土手などの日当たりの良い場所に群生します。4月~6月に茎の先に花穂をつけます。花穂はチバナまたはツバナとも呼ばれます。サトウキビ(イネ科サトウキビ属)と親せきで、若い花穂には甘みがあるそうです。
茅萱(ちがや)を詠んだ歌
茅萱(ちがや)は、歌の中では、浅茅(あさじ)・浅茅原(あさじはら/あさつばら)と詠まれることが多いです。浅茅(あさじ)は、背の低いものを言うようです。
0333: 浅茅原つばらつばらにもの思へば古りにし里し思ほゆるかも
1179: 家にして我れは恋ひむな印南野の浅茅が上に照りし月夜を
1342: 山高み夕日隠りぬ浅茅原後見むために標結はましを
1347: 君に似る草と見しより我が標めし野山の浅茅人な刈りそね
1449: 茅花抜く浅茅が原のつほすみれ今盛りなり我が恋ふらくは
1460: 戯奴がため我が手もすまに春の野に抜ける茅花ぞ食して肥えませ>
1462: 我が君に戯奴は恋ふらし賜りたる茅花を食めどいや痩せに痩す
1514: 秋萩は咲くべくあらし我がやどの浅茅が花の散りゆく見れば
1578: 今朝鳴きて行きし雁が音寒みかもこの野の浅茅色づきにける
1654: 松蔭の浅茅の上の白雪を消たずて置かむことはかもなき
2158: 秋風の寒く吹くなへ我が宿の浅茅が本にこほろぎ鳴くも
2186: 秋されば置く白露に我が門の浅茅が末葉色づきにけり
2207: 我がやどの浅茅色づく吉隠の夏身の上にしぐれ降るらし
2466: 浅茅原小野に標結ふ空言をいかなりと言ひて君をし待たむ
2755: 浅茅原刈り標さして空言も寄そりし君が言をし待たむ
3057: 浅茅原茅生に足踏み心ぐみ我が思ふ子らが家のあたり見つ
3063: 浅茅原小野に標結ふ空言も逢はむと聞こせ恋のなぐさに
3887: 天にあるやささらの小野に茅草刈り草刈りばかに鶉を立つも