茅萱 撮影(2010.07) by きょう

茅萱(ちがや)

イネ科チガヤ属の多年草です。川原、田畑、土手などの日当たりの良い場所に群生します。4月~6月に茎の先に花穂をつけます。花穂はチバナまたはツバナとも呼ばれます。サトウキビ(イネ科サトウキビ属)と親せきで、若い花穂には甘みがあるそうです。

茅萱(ちがや)を詠んだ歌

茅萱(ちがや)は、歌の中では、浅茅(あさじ)・浅茅原(あさじはら/あさつばら)と詠まれることが多いです。浅茅(あさじ)は、背の低いものを言うようです。

0333: 浅茅原つばらつばらにもの思へば古りにし里し思ほゆるかも

1179: 家にして我れは恋ひむな印南野の浅茅が上に照りし月夜を

1342: 山高み夕日隠りぬ浅茅原後見むために標結はましを

1347: 君に似る草と見しより我が標めし野山の浅茅人な刈りそね

1449: 茅花抜く浅茅が原のつほすみれ今盛りなり我が恋ふらくは

1460: 戯奴がため我が手もすまに春の野に抜ける茅花ぞ食して肥えませ>

1462: 我が君に戯奴は恋ふらし賜りたる茅花を食めどいや痩せに痩す

1514: 秋萩は咲くべくあらし我がやどの浅茅が花の散りゆく見れば

1578: 今朝鳴きて行きし雁が音寒みかもこの野の浅茅色づきにける

1654: 松蔭の浅茅の上の白雪を消たずて置かむことはかもなき

2158: 秋風の寒く吹くなへ我が宿の浅茅が本にこほろぎ鳴くも

2186: 秋されば置く白露に我が門の浅茅が末葉色づきにけり

2207: 我がやどの浅茅色づく吉隠の夏身の上にしぐれ降るらし

2466: 浅茅原小野に標結ふ空言をいかなりと言ひて君をし待たむ

2755: 浅茅原刈り標さして空言も寄そりし君が言をし待たむ

3057: 浅茅原茅生に足踏み心ぐみ我が思ふ子らが家のあたり見つ

3063: 浅茅原小野に標結ふ空言も逢はむと聞こせ恋のなぐさに

3887: 天にあるやささらの小野に茅草刈り草刈りばかに鶉を立つも

補足

更新日: 2021年03月21日(日)