原文
淺茅原 小野尓標結 空言毛 将相跡令聞 戀之名種尓
作者
柿本人麻呂歌集より
よみ
浅茅原(あさぢはら)、小野に標(しめ)結(ゆ)ふ、空言(そらごと)も、逢はむと聞こせ、恋のなぐさに
意味
浅茅原(あさぢはら)の野に標(しめ)を結ぶみたいにむなしい嘘でもいいから、逢いましょうと言ってください。恋のなぐさめに。
「浅茅原(あさぢはら)、小野(をの)に標(しめ)結(ゆ)ふ」で「空言(そらごと)」を導いています。「
補足
標(しめ)は、大切な所有地などを示すしるしとして縄などをむすんで囲ったものです。でも、「浅茅原(あさぢはら)」はそれほど大切ではないので、標をしても空しいことだったのでしょう。