原文
葛木之 其津彦真弓 荒木尓毛 憑也君之 吾之名告兼
作者
不明
よみ
葛城(かづらき)の、襲津彦(そつびこ)真弓(まゆみ)、荒木(あらき)にも、頼めや君が、我が名(な)告(の)りけむ
意味
葛城(かづらき)の襲津彦(そつびこ)が持つ弓に使う荒木のように、頼もしいあなたが、私の名を告げたのでしょうか。
「葛城の襲津彦」は、新羅・百済に渡って戦った勇猛な人として伝えられています。「荒木」は、弓を作るための木を指します。
古代、男性が女性の名を口にすることは求婚を意味していました。
補足
寄物陳思(きぶつちんし: 物に寄せて思いを陳べる歌)のひとつです。