真弓(まゆみ) Mayumi(Japanese spindle tree)
ニシキギ科の落葉低木です。葉は楕円形で対性です。6月頃に黄緑色の花を咲かせます。実は秋になりますが、裂けて赤くなります。枝がしなるので、昔は弓の材料として使ったそうです。「檀(まゆみ)」とも書きます。
- Mayumi(Japanese spindle tree) is a deciduous shrub of the Celastraceae department. The leaves are oval and opposite phyllotaxis. The yellow-green flowers bloom around June. The fruits fall in the autumn and tear apart and turn red. Because the branches bow, it has been used as a material for the bow.
真弓(まゆみ)を詠んだ歌
万葉集には12首に登場しますが、真弓の木そのものよりは、弓のことを指しているものがほとんどです。「梓弓(あづさゆみ)」と同様に、弓を張ることから、「春」などを導く枕詞(まくらことば)として使われる場合もあります。
また、「白真弓(しらまゆみ)」は、真弓(まゆみ)の白木で作った弓のことです。
0096: み薦刈る信濃の真弓我が引かば貴人さびていなと言はむかも
0097: み薦刈る信濃の真弓引かずして強ひさるわざを知ると言はなくに
0289: 天の原振り放け見れば白真弓張りて懸けたり夜道はよけむ
1329: 陸奥の安達太良真弓弦はけて引かばか人の我を言なさむ
1330: 南淵の細川山に立つ檀弓束巻くまで人に知らえじ
1809: 葦屋の菟原娘子の八年子の片生ひの時ゆ.......(長歌)
1923: 白真弓今春山に行く雲の行きや別れむ恋しきものを
2051: 天の原行きて射てむと白真弓引きて隠れる月人壮士
2444: 白真弓石辺の山の常磐なる命なれやも恋ひつつ居らむ
2639: 葛城の襲津彦真弓新木にも頼めや君が我が名告りけむ
3092: 白真弓斐太の細江の菅鳥の妹に恋ふれか寐を寝かねつる
3437: 陸奥の安達太良真弓はじき置きて反らしめきなば弦はかめかも