原文
奴波多麻能 欲波安氣奴良之 多麻能宇良尓 安佐里須流多豆 奈伎和多流奈里
作者
よみ
ぬばたまの、夜は明けぬらし、玉の浦に、あさりする、鶴(つる)鳴き渡るなり
意味
夜が明けたようです。玉の浦で餌を求めている鶴(つる)が鳴いて飛んでいます。
- rough meaning: It looks like dawn has come. A crane asking for food is crying and flying in Tamanoura.
・天平八年(西暦736年)、難波から出発した遣新羅使(けんしらぎし)が玉の浦に停泊したときに詠まれた歌です。
「玉の浦」は、現在の岡山県倉敷市玉島、岡山県玉野市玉などの説があります。
補足
この歌を含む3578番歌の題詞に、「新羅(しらぎ)に遣わされた使人(しじん)等、別れを悲しんで贈答し、また海路に情を慟(いた)ましめて思いを陳(の)べ、并(あわ)せて所に當たりて誦(うた)う古歌」とあります。